2017/05/01

しゃぼん玉

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【しゃぼん玉】

 無軌道な生活を送り通り魔犯罪を繰り返して来た青年が、ふとしたきっかけで見知らぬおばあちゃんと山村で暮らすようになり、少しずつ人間らしい心を取り戻して行くと云う物語です。乃南アサさんのベストセラーが原作なのだそうです。

 う~ん、こうした物語の感想を書くのは正直言って苦手です。予告編を見ただけで物語の大凡は予想がついてしまい、「あ、じんわり感動系だな」と思った途端に身構えてしまうのです。

 原作は読んでいませんが、恐らくしっかりした骨組みに、細やかな描写を織り込んだ作品なんだろうなという事は窺えます。でも、それを映画にする作業の中で所々で粗さを残してしまった様に感じました。

 主演の市原悦子さんも、林遣都さんもいい味わいです。特に、シゲ爺を演じる綿引勝彦さんのぶっきらぼうな優しさはグッと来るものがあります。しかし例えば、主人公が自分の心の内を犬に話しかけたり、思いを独り言のように呟く場面を見ると、

 「そんな奴は居ないだろう~」
 「それは不自然だろう」

との思いが先行して、スクリーンの中から急に客席に引き戻されてしまうのでした。こうした物語はそんな細やかさに気配りしてこそ成立するものだと思います。でも、脚本にどこかわざとらしさを感じるのでした。

 特に、贖罪ということが大きなテーマでもある本作では、作中のある人物が結局許してくれたのかと言う事が大切な筈なのに、何も触れられずに終わってしまい「それはないだろう~」のモヤモヤが残ってしまいました。

 何でも文句を付けるオヤジの様で心苦しいのですが、良い作品になり得ただけに残念でした。 

アミューあつぎ映画.comシネマ にて (#20-78)

アヤメケボリの卵

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【アヤメケボリの卵】 2017/04/29 富戸

 ヤギに螺旋状に産み付けられたアヤメケボリの卵です。ポリプにこんなに近いと言う事は、ハッチアウトして卵嚢から泳ぎ出した途端に捕らえられるというリスクもかなり有りそうです。卵を守ってもらうと言う事とのトレード・オフなんでしょうね。

2017/04/30

グミ

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【グミ】 2017/04/30 富戸

 快晴、べた凪、水温:15℃、透明度:10m

 毎週同じ写真で恐縮です。一週間に一本はグミパラ(グミ・パラダイス)へ。まだまだ莫大な数のグミが屹立しています。

 アリゾナの真っ白な砂漠にポツンと佇んでいるサボテンみたいに、グミで真っ白になった海底で揺れるミル。何だかこの光景が気に入って、20~30分ここでボーッとしていました。

哭声 コクソン 勝手に応援鑑賞

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【哭声 コクソン 勝手に応援鑑賞】

 地元のアミューあつぎ映画.comシネマを盛り立てたいという思いで始めたこの「勝手に応援鑑賞」も、ここまで来るともはや「応援」なのか「営業妨害」なのか分からなくなって来ました。「映画館テロ」として、我が家の妻と共に共謀罪の適応を受けて、来週からは映画館スタッフの方の監視が付くかも知れません。

 当映画館で上映される作品のベースは「優しくほっこり感動」と云う所にあるのかなとこれまで思って来ました。だから、今年3月から日本での上映が始まった本作の予告編を見た時、

 「無茶苦茶興味を惹かれるけど、あつぎでの上映は絶対にないな」

と考えて、僕は都内の映画館に足を運びました。そして、見終えて強い衝撃を受けると共に、

 「やっぱり、これはあつぎでは絶対に上映される筈がない。観ておいてよかったぁ」

と思ったのでした。それほどにキツイ映像の作品でした。それと同時に「勿体ないなぁ」とも思ったのです。

 本作は、鑑賞後に「誰かと今観た映画の話を直ぐにでもしたい」と今年一番強く思った作品でした。今年の僕のベスト10にも入ると思います。それなのに、「キツイ映像だから」と云う理由で上映が見送られるとすれば、そして、それ故に興行的な失敗が危惧されるとすれば、映画の世界を狭める事になり、残念だなぁと思ったのでした。

 だから、当館で本作が上映されると知った時には万歳三唱となりました。

 さてそれで、その作品を応援するのに、なんでオッサンが醜い老体を晒さねばならないかと言う事なのですが、僕にはこれ以外のショットがどうしても思いつかなかったのです。本作をご覧になった方(なんて殆どおられないと思いますが)ならばこの気持ちが分かって頂けると思うのですが、「観れば分かる」ではちっとも宣伝になりませんね。

 でも、「普段は地味で決して目立とうとはせず、伏し目がちで口数が少なく、居るのか居ないのか分からない」と言われる僕をここまでさせる作品って一体どんなものなのかをご覧になる価値はあると思います。

(なお、当応援鑑賞はあくまで僕個人の勝手な活動であり、映画館とは直接何の関係もありません。念の為)

肴屋大ちゃん新装開店

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【肴屋大ちゃん新装開店】 2017/04/29 富戸

 富戸で潜る日の晩御飯はいつもお世話になっており、僕が「お店公認魚卵記録員」も務める「肴屋大ちゃん」が、これまでのお店から数十メートル移動した場所に新築新装開店しました。ウッドデッキも備えたカッコいいお店です。

 旧店も、開店初日の第一号客として乗り込んだので、今回も新装初日一番乗りです。

 「どうも、おめでとうございま~す」

と店内に入ると、木のいい香りです。

 と言う事で、あとはいつも通りお腹一杯まで食べ通しとなりました。これからも、おいしいお魚、珍しいお魚のご紹介をどうか宜しくお願いします。

2017/04/29

ネコザメ

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【ネコザメ】 2017/04/29 富戸

快晴、べた凪、水温:15~16℃、透明度:10m

なぜか、猫は十二支に入っていません。もし猫年があったら、年賀状用写真の為に多くのダイバーからフラッシュの集中砲火を浴び続ける事でしょう。いや、年賀状でなくても、子猫のこの愛らしい瞳を見たらフラッシュ連射になってしまいます。

2017/04/28

君の名は。 勝手に応援鑑賞

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【君の名は。 勝手に応援鑑賞】

 地元のアミューあつぎ映画.comシネマ を勝手に応援する鑑賞会、久々の開催です。

 昨年驚異の観客動員を記録した『君の名は。』が遂に遣って来ました。僕は昨夏の公開週に観たのですが、その時はこんなに大きな反響を呼ぶ作品になるとは思ってもみませんでした。

 今回は、本作を初めて観る妻にお付き合いしての応援鑑賞です。

 「もしかして私たち」
 「もしかして俺たち」

 「入れ替わってる~っ?」

なんでだろぉ~ なんでだろぉ~。 (#19-78)

光と禿

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【光と禿】

 カッコイイ男、男らしい男、頼れる男なんて恥ずかしくてゴメンです。でも、「ダメな男」にはなりたい、「堕ちて生きる男」になりたいという思いはこの歳になっても(或いはこの歳だからこそ一層)あります。それは、甘ったれた自分を持て余していた十代の「こじらせ」が尾てい骨の様にまだ体の中に残っているからでしょう。

 本作は、40代半ばになってもまだロックンロールにしがみついている「クリトリック・リス」が主人公です。これは実在のシンガーを本人が演じているのですが、そんな男、誰も知らないですよね。この名前だけで、もうダメ男確定でしょ。キワモノ路線を狙っているのが余りにあからさまです。しかも、彼はステージに上がる時はいつも海パン一丁なのです。40過ぎてこれは最早「痛い」姿ですよね。...
 
 先だって観たインディーズ映画『そうして私たちはプールに金魚を』の舞台挨拶に登場したクリトリック・リス氏の捨て身とも思える存在感が実はかなり印象に残っていて、その彼の主演映画と聞いて怖いもの見たさに足を運びました。この種の映画のお約束とも思える、1日1回・レイトショーのみ1週間限定の上映です。

 少しひねくれた盲目の若い女性と売れない中年裸&ハゲ・ロッカーのぎこちない心の触れ合いを描くとでも云うべき作品です。もう、この映画は「まずクリトリック・リスありき」の一本です。

 彼の演技は上手くはありません。そして、驚くべき事に、本職の歌すらも下手クソなのです。贅肉の裸を晒して、マイクを握って唸っているだけに見えます。もはや、歌ってすらいないかも知れません。でも、

  ♪ 桐島バンドやめるって ♪
  ♪ 栄光に向かって走る あの列車には乗れない ♪

と云う叫びを聞いていると、

  「ああ、実は僕はこんな風に堕ちたいのかも知れない」
  「僕は、こんな風に敗北したいのかも知れない」

と思えて、尾てい骨が疼いて来るのでした。そうして結局、劇中の彼の歌声に聞き入ってしまいました。

 ポール・マッカートニーが東京ドームで数万の観客を熱狂させていた時刻に、僕は同じ都内のミニシアターで、ドームの千分の一程度の観客と共に、ポールの千分の一も稼ぎが無いであろうロッカーの歌を聞いていたのでした。

 主演も、映画もキワモノではあったけれど、僕は行ってよかったです。チケット代はポールの1/10もしたけれど。

 追伸1: 盲目の女性と冴えない中年男の物語と云うと、チャプリンの『街の灯』を思い出します。監督はそれを意識しているのかなぁと観ながら思っていたのですが、その疑問への答えがちゃんと用意してあったのは映画好きには嬉しかったです。 

 追伸2: 「桐島、バンドやめるってよ」↓
  https://www.youtube.com/watch?v=qtLCCLDx8Ts

(#18-78)

ヒメギンポの卵

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 いくら目を凝らしてもヒメギンポの卵を肉眼で認識する事はできないのですが、この場所は光の当たり方が好条件なのか、場所によっては「これは卵かなぁ」と云う輝きを見せる点々があります。そこで、カメラで寄って寄って・・すると、確かに産まれて間もないと思える卵から目玉ギョロギョロの卵までもが散らばっているのでした。  (2017/04/23 富戸)

2017/04/26

ラビング

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 【Loving

  リンカーンによる「奴隷解放宣言」が発布されたのが1862年のこと。でも、それは、奴隷として強制的に使役されて来た黒人の人々を奴隷と云う地位から解き放つと云うだけのこと(勿論、それがまず大切なのですが)であって、白人社会が有色人種の人々を見る目は直ぐに変わる筈はないし、生活の中での差別はなくならなかったと云うことは容易に想像出来ます。そして、黒人の人権が社会問題として明確に認識され始めるのは1960年台の公民権運動からブラック・パワー運動に掛けてでしょうから、リンカーンから100年を要しているのです。でも、今もまだアメリカの人種問題はニュースで取り上げられ続けているのですから、アメリカのと言うよりは人の心にある根深い問題である事が分かります。

 本作は、白人と黒人の結婚が州の法律により禁じられていた時代に、その扉を開いたLoving 夫妻(白人の夫と黒人の妻:なんと、テーマに相応しいお名前なのでしょう)の実話に基づく物語です。

 まず驚かされるのは、これが5060年前のお話という事です。日本が東京オリンピックの熱に沸いていた頃、アメリカの一部の州では異人種間の婚姻がまだ刑事罰を伴う犯罪であったのです。そうした結婚が社会の偏見の眼に晒される事はあったろうなと想像は出来ますが、僕自身がこの世に既に生を受けていた時代にそんな法律がまさかまだ有ったとは思っていませんでした。

 しかし、本作はその展開を社会的・政治的問題として俯瞰するのではなく、あくまでも二人の生活の場にカメラを据えて、そこからお話を語ろうとします。それ故、お二人を英雄視する様な無理な流れはなく、「とにかく青い草原の家で、家族で仲良く静かに暮らしたかったんだな」という事がしみじみと伝わって来ます。

 特に、奥さん役のルース・ネッガの不安そうに揺れる大きな瞳の演技はとても素晴らしかったです。こんな人が次々出て来るのがアメリカ映画の懐の深さですね。

  異人種間の婚姻を禁止する州法は、アメリカ連邦最高裁によって1967年に違憲であるとの判決が下ります。しかし、のちほど調べてみると、アメリカの全ての州でこの種の法が廃止されたのはなんと2000年のことだったのです。僅か17年前ですよ。歴史は本当に一歩ずつしか変わらないのですね。

 アミュあつぎ映画.comシネマ にて (#1-77)

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